SaaS型プロジェクトにおける業務効率化 – ドキュメントの勧め

効率化
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こんにちは。SeNoteです。

転職2回を経て、現在は外資系企業でプロジェクトマネージャーとして働いています。

本日は、法人に対してSaaSを販売するプロジェクト型ビジネスの業務効率化についてまとめます。

いま勤めている外資系企業も一つ前の企業もB2BでSaaSを売るビジネスモデルを採用しています。

お金を稼ぐ案件のほぼ全てが個別のプロジェクトです。

というのも、根底にあるSaaSは同じですが、企業ごとにやりたいことが少しずつ違うため、

プリセールス、コンサル、導入作業(データ移行、設定など)などの個別対応が発生するからです。

それぞれのプロジェクトで要求や懸念等が異なるため、業務効率化は難しく感じるかもしれません。

実際、私の前職および現職ではシニアレベルの役割を持つ担当者たちも

個々のプロジェクトにその場その場で対応するだけでした。

「企業」としていかに、汎用化して効率的にプロジェクトへ対応できないか、

といった視点は欠如しているように感じます。

数多ある会社のうち2つを切り取って、効率化を意識している企業は少ないとは言い切れませんが

似たような状況にある企業は一定数存在するのかもしれません。

似たような状況にある方々の参考になるかもしれないため、

取り組んでいる効率化、およびその効果をまとめます。

SaaSを企業向けに販売していて(B2B)、個別プロジェクト型の業務を対象とします。

結論を先に申し上げると、以下のようになりました。

「実施」したこと:ドキュメントの作成(マニュアル、QA表、打合せ資料テンプレート等)

「実現」したこと:説明・調査する時間削減、顧客対応に割く時間の増加、残業ほぼゼロ

それでは、以降で具体的に見ていきましょう。

業務効率化とは

読んだ通り、業務を効率化することです。

効率化とは、

今まで10時間掛かっていた作業を5時間で終わるようにすること

今まで3人でしていた作業を1人、または0(ソフトウェアで自動化)人で対応すること

ソフトウェアの導入は作業効率化の最たることですね。

上手く要件定義し、ソフトウェア作成/導入できれば当初の90%効率化なども大いに可能です。

効率化させるためには、効率化するためにコスト(時間・費用等を)を先に払う必要があります。

作成する時間や費用など、です。

そのため、無闇に全てを効率化するのではなく、効果の大きいところに的を絞ることも重要です。

なぜドキュメントを作成したのか

全ての人が実機能を触りながら、動作確認するというムダが生じていたため、です。

いま提案しているソフトウェアを理解するための資料が全くなく、

動いているソフトウェの画面を触りながら機能を確認する必要がありました。

聞けば教えてもらえますが、聞かずとも理解できれば越したことはないと考えます。

ドキュメント以外にも定期的に説明会を行うという方法もありますが、

その場合説明会のために参加者全員の時間を拘束する必要があること

新たな人材が加わった時には再度一から十まで全て説明が必要なこと

という新たなムダが生じる可能性がありました。

ドキュメントであれば、適宜更新は必要なものの1度作成しておけば、

記載内容を読んでもらうだけでよく、確認したい人が1人で実施できます。

実際のソフトウェアを触りながら、誰かが1度きっちりと作成すれば、

以降の人たちはその恩恵を得られます。

不明な点があれば、大枠をドキュメントで理解している前提で、

不明な点に絞って説明、解説等を実施することもできます。

それは、人の時間を無為に奪うこともありません。

またうまく作成すれば、顧客にもそのまま提供できるため一石二鳥です。

人が少なく、1人で様々な業務を行う必要のある環境の場合、

質問や問合せ時にドキュメントの確認箇所を伝えるだけで良かったり、

顧客が自分でできる作業を増やして自身の作業量を減らしたり、

といった効率化が可能と考え、ドキュメントを作成することにしました。

作成したドキュメントは?

どのようなドキュメントを作成し、どのような効果を得たかをまとめます。

製品マニュアル(全体版)

最初に作成したのは、製品マニュアル(全体版)です。

製品の中でも主に使用される機能に照準を当てた資料を作成しました。

特に製品を使い始める/使い始めたばかりの顧客にとって、

導入した製品の使い方を理解する目的で使用されています。

効率化の効果は以下の通りです。

顧客、社内の営業から製品に関する問合せが減った

問合せがあった場合もマニュアルの確認を指示するだけで完了するようになった

上記の結果として、別の人たちに同じことを何度も説明する必要がなくなった

余談ですが、

そもそも製品マニュアルが無かったことは驚きでした・・・

米国から言わせると、担当者が使用方法を理解しているから問題ないらしい、です。

担当者が辞める時にどうするのでしょうか・・・

海外の企業はシステマチックに整備されていると思い込んでいたのですが、

全然そんなことはないという事実に気付くことができたのは良かったです。

製品マニュアル(付随機能)

次に、顧客との打合せでよく話題に上がる機能マニュアルを作成しました。

業界が同じであれば、大体使用する(/したい)機能は似てきます。

1度作成すれば、別顧客にもそのまま配布できるため効率化が計れます。

本資料は、製品を使い始めて少し経った顧客に対しても効果を発揮します。

というのも、製品を更に使いこなすことで、

実現したいことができる、業務効率化ができる、など

顧客ごとに理由は別ですが、一歩進んだ使い方を理解してもらえるようになるからです。

効果として、

業務効率化もさることながら、製品をより深く理解してもらい、使いこなしてもらう

という面で大きな効果を発揮します。

SaaSのサービスは導入時の顧客負担は少ないです。

一方で、使えないサービスと思われれば継続契約が得られない可能性があります。

顧客の離脱率(チャーンレート)を下げるためには、

製品をより理解し、使いこなしてもらう必要があります。

どこかのタイミングで顧客業務において、

なくてはならないサービス、

お金を払ってでも使う必要のあるサービス、

という立ち位置を得ることが肝要です。

付随機能マニュアルの作成したことで、

顧客がサービスをより深く理解することに繋がりつつあります。

効率化の効果は全体版マニュアルと同じように、以下の通りです。

顧客、社内の営業から製品に関する問合せが減った

問合せ時もマニュアルの確認を指示するだけで完了するようになった

パラメータシート

顧客ごとのシステム設定をまとめるためのドキュメントです。

作成した意図は2つあります。

  1. 設定したい項目を顧客に準備してもらえるようにすること
  2. 自社製品で設定可能な項目を把握すること

顧客がシステムに対して設定したい項目を準備してもらいます。

要望に応じて都度支援していると自分の時間が削られてしまいます。

できる限り顧客自身で対応できることは準備してもらうことで、

自分自身の作業負荷の軽減、顧客に自分ごとと理解させる、

ということを狙っています。

また製品で設定可能な項目をいちいち米国に聞かないと分からない・・・

という意味のない作業をする回数を減らすことも目的としてありました。

1回だけ誰かが苦労して、ドキュメント化することによって、

以降の導入作業者は楽をできるという狙いがあります。

楽をできることで、無駄な時間を削減し、その分顧客との会話など

重要なことに焦点を当てることが可能になります。

効率化の効果は以下の通りです。

作成したドキュメントをそのまま複数企業に展開し、対応時間を削減

他メンバーが設定項目をサービスを実際に触って確認する時間を削減

その他

重要な作業に注力できるように以下のような資料も作成しました。

  • 導入までの流れ(キックオフ前に営業・顧客が日程感を把握できるようにするため)
  • 利用想定シーン(営業が製品をより魅力的に説明できるようにするため)
  • 製品ヘルプの翻訳(元の翻訳が雑で不足があり、評判が悪かったため)
  • その他諸々

これからも役に立ちそうなドキュメントがあれば進めていく予定です。

まとめ – プロジェクト型の案件でもドキュメント作り、効率化を実現

プロジェクト型の案件はけっこう面倒臭いこと多いです。

顧客が変わればコミュニケーションの取り方も変わりますし、

気になる点、サービス導入で変化を促したい業務も少しずつ違います。

そんな状況下でも、

ある程度ドキュメントが整備されていれば、業務効率化は可能です。

説明時間が短縮でき、顧客と会話に使える時間が増えるかもしれません。

顧客に作業をしてもらっている間、別業務を行う時間が作れるかもしれません。

案件も1度であればドキュメント作成コストの方が高くなりますが、

SaaSの導入は顧客ごとに何度も発生するため十分費用対効果も高いと考えます。

同様の顧客が違う機能を求めてきた時にも活用できます。

すでに良い効果は見えつつあります。将来の効果にも期待が大きいです。

プロジェクトだから汎用的なドキュメント作成による効率化は難しい、と

頭から決めつけずに着手できそうなことはないか探してみることをお勧めします。

本記事がどなたかの参考になれば幸いです!

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